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おばあちゃんの知恵袋・いりこを食べよう
私の兄は身長が185cmと、とても背が高いです。兄は祖父や曽祖母に『いりこを食べたら、骨や歯が丈夫になる』と言われて小さい頃からよくいりこをおやつ代わりに食べていました。しかも、骨に良いと言われ、海老フライの尻尾や小さな魚なら丸ごと食べていました。
小学の頃は背の順で並ぶと前の方にいたはずの兄でしたが、成長期を境にグングンと伸びていきました。成長期の頃の兄はいつもお腹のが空いていた様で、三食に加えておやつといりこ……、食べれる物なら何でも食べていました。
曽祖母達の教えてがしっかり身についていたのか、毎日いりこは欠かしませんでした。対して私は兄の様に『いりこを食べなさい』と強く言われた事がなかったため、あまり食べていませんでした。そのためなのか、身長は低いです。いりこに背を伸ばす効果があるか調べてみました。
いりこの栄養価
いりこは小魚を煮て干した食品です。一般的にいりこに使われる小魚はカタクチイワシですが、アジやサバ、トビウオを使う事もあります。いりこはタンパク質の他にカルシウム、鉄分、ビタミン、マグネシウム、タウリンなどを多く含んでいます。いりこは10尾程度で1日に必要なカルシウムを摂取できます。カルシウムは骨や歯を形成するのに必要な栄養素です。更にカルシウムは神経の働きや筋肉運動など生命の維持や活動に重要な役割や脳神経の興奮を抑える作用もあります。その他にもいりこを食べる事で、カルシウムの他にタンパク質や鉄分、マグネシウム、ビタミンDといった成長期に欠かせない栄養素を同時に摂取する事ができます。
特にマグネシウムはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。そのため、成長期の子供の身長を伸ばすのに、適した食品といえます。また、いりこの原料は魚ですので、魚の脂に含まれるDHAやEPAが含まれています。DHAやEPAは動脈硬化や血栓症を予防する事ができます。
一方、いりこには塩分やプリン体といった成分も多く含んでおり、これらを過剰摂取する事で健康を害してしまう恐れがあります。塩分の過剰摂取は高血圧や心疾患、腎疾患といった病気の原因となります。またプリン体は通風を引き起こす可能性があります。この他にも、いりこの食べ過ぎでカルシウムを過剰に摂取してしまい、腎結石や尿管結石の原因となり、更に動脈硬化や心筋梗塞のリスクも高めてしまう事になります。いくら成長期とはいえ、いりこは1日30g以下を目安に食べる様にして下さい。
いりこを食べて効率よく背を伸ばそう
いりこの栄養素を効率よく摂取するにはどうしたらいいのでしょうか?それは、カルシウムの吸収を助ける働きがある、マグネシウムを一緒に摂取する事です。カルシウムとマグネシウムの比率は2~3:1で摂取して下さい。いりこと一緒にマグネシウムを多く含む食品を食べる事をお勧めします。また、マグネシウム以外にカルシウムの吸収を促す栄養素として、ビタミンC、ビタミンD、リジン、アルギニン、クエン酸、カゼイン、乳糖などがあります。この事から、いりこよりも乳製品がカルシウムを取るのに優れている食品だという事がわかります。
一方、ナトリウムとリン、タンパク質、食物繊維、アルコールの取り過ぎはカルシウムの吸収を阻害する要因になります。他にも過剰な脂肪やシュウ酸もカルシウムの吸収を妨げます。いりこはカルシウムやタンパク質、鉄分など成長期に欠かせない栄養素を多く含んだ食品です。いりこを上手に摂取して背を伸ばしましょう。
なお、食べものだけでなく、適切な運動や睡眠も成長には欠かせません。しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり寝ることがなる成長の鍵になる事でしょう。
読者の30代・山口県出身の女性の方から頂戴しました「身長に関するうわさ話」をご紹介しました。