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身長とカルシウムの関係って?
「バスケットボールをやってて背を伸ばしたい」「あともう少し身長があればスタイルがよく見えるのに…」
日々を過ごす中で背を伸ばしたい!と思う時、ありませんか?私は身長が低いので、高いものをスムーズに取れない時など、日常のちょっとした場面で損をした気分になることがあります。
そこで気になるのが身長の伸ばし方。
「身長伸ばすにはよくカルシウムを摂れっていうけれど、何を摂ればいいんだろう?」
「カルシウムを摂れば身長伸びるっていうけれど、それって本当なの?」
セットで語られることの多い「カルシウム」と「身長」。身長の伸びるメカニズムや資料についてまとめてみました。
カルシウムは骨と筋肉・神経にも作用
世間一般的に「カルシウム」は有名で、お子様から大人まで一度は聞いたことがあると思います。しかしながら、具体的にどんなものかを説明できる人は意外と少ないでしょう。何となくカルシウムは体にいいものだと知り、単純に歯や骨の材料の一部だ…そう思っている方が大半ですよね。でも実はカルシウムは、そんな単純なものではありません。カルシウムは人間の体を動かしたり体を健康的に保つ上でも中心的な存在であり重要な役目を果たしていますし、確かにカルシウムは骨に貯蔵されていますので骨とは深い関わりがあります。
カルシウムは凄いもので仮に長期カルシウムを摂取しなかったとしても、なんと骨を溶かしてまでも濃度を保とうとするような仕組みになっているというのです。人間の体は上手く作られていますね。とはいえ、それは極端な話であり極力毎日適度なカルシウム摂取が望ましいです。
では、本題のカルシウムとは具体的に何なのかを説明していきますね。
実はカルシウムはミネラルの一種です。
具体的には
・骨や歯の成分となる
・神経細胞で情報伝達の役割りをする
・筋肉の収縮に深く関わっている
・血液凝固に作用するなどが挙げられます。
いずれも体には重要な働きばかりで骨や歯だけではなく、神経や筋肉にも深く関わっているのです。筋肉に関わるので勿論心臓の収縮にも関係しますし、怪我した時に上手く血が止まるよう血液凝固にもカルシウムは大切なのです。
因みに、私たちの体には実に様々なミネラルが存在しますが、カルシウムはミネラルの中で最も多く、体重の約2%ほどになります。
そして体内のカルシウムの内、約98%が骨に行き渡り、2%が歯や血液、細胞に行き渡るような仕組みになっています。
カルシウムは成長期に必要不可欠
子供の成長期には盛んに体内で軟骨が細胞分裂を繰り返しています。その結果軟骨がしだいに硬くなり骨が少しずつ伸びていき「身長が伸びる」ということに繋がるわけですね。
そして、ここからが大事な話になるのですが、軟骨の細胞分裂が起きて骨が伸びる段階でカルシウムが必要不可欠な栄養素となります。そのため成長期にカルシウムの摂取不足になると骨が健康的に伸びることができなくなります。
成長ホルモンと栄養素、これらが充分に摂取されていないと健全な身体へと成長していけなくなるので、どれが欠けてもダメなんだというわけです。
なぜなら、カルシウムは、たんぱく質同様に骨の成長を助ける大切な役割りを持ち、ホルモンがそれらの成分を上手く繋ぎ合わせという協同作業を体内で行われているからです。目で見えない協同作業ですが、それらが全て揃うことで順調な体や骨の「成長」ができるということになります。
カルシウムの必要摂取量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)概要」のガイドラインによれば、カルシウムの摂取量目安は以下の通りです。
成長期である8歳~13歳に必要なカルシウムの必要量は550~850㎎/日だそうです。やはり成長期は成人の一日当たり摂取量よりも多く設定されていますね。
カルシウムを豊富に含む食べ物
カルシウムが豊富な食べ物は沢山ありますが、それを毎日摂取できるかはまた別の話。ということで、カルシウムを多く含みつつも摂取しやすい食品を紹介していきます。
カルシウムが手軽に摂取できる食品は、乳製品と魚介類です。特に乳製品は他の食品と比較しても断然体内への吸収率が高いのが最大の魅力です。
例えば牛乳やチーズは手軽に摂取できますね。牛乳やチーズ類だけではなく、脱脂粉乳もカルシウムの含有量が多いので牛乳やチーズが苦手な方もカルシウムを摂取できます。
また、魚介類であれば特に骨まで食べることが可能な魚介類はカルシウムが非常に豊富です。無理して固い骨をそのまま食べるのではなくカリカリに焼いたりするのも良いですが、喉に引っ掛かる可能性あるので無理はしない方がよいです。丸ごと食べれる煮干しや、珍味に入っているような小魚は良いですね。
また、干しえびなんかは一度に摂取する量が少しでも沢山のカルシウムを摂取できます。具体的にカルシウム含有量を見てみましょう。例えば干しエビには100g中7,100mg、煮干しには100g中2,200mg含まれています。
魚や乳製品のアレルギーがある方も安心して下さい。野菜にもカルシウムは含まれています。例えば大根の葉や、青汁なんかに入っているケールもカルシウムが多く含まれる野菜です。
因みに、乳製品を使った加工食品の代表であるミルクチョコレートやホワイトチョコレートなんかにもカルシウムは含まれますが、これらはカロリーや糖分も多いので食べ過ぎに注意です。
ただ、ここで注意しなければならないのは、カルシウムの吸収率の低さです。カルシウム吸収率は、乳製品が約50%、小魚や海藻が約30%、野菜などは20%以下です。吸収率が高い、乳製品の中で最も含有率が多いのがパルメザンチーズの100g中1,300mgです。50%の吸収率ですから、650mgということになります。30~49歳の1日推奨摂取量が650mgなので、毎日食べれば必要量を摂取できることになります。普通の牛乳は、100g中110㎎ですから吸収できるのは100gで55㎎です。1リットル飲んでも30~49歳の1日推奨摂取量不足になります。ヨーグルトは、100g中120mgですから吸収できるのは60mgです。1kg食べても、30~49歳の1日推奨摂取量不足になります。
このようなことから、カルシウムの吸収は意外に難しいということがわかります。カルシウムは、腸で吸収されるので消化の良い食材が吸収率も高くなります。吸収され骨になるには、マグネシウムの助けが必要です。マグネシウムやビタミンDなどの栄養素を含む食材を一緒に摂取することは、カルシウムが骨になるのを助けてくれるだけでなく吸収率も高めてくれます。