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亜鉛の持つ驚きのパワー
身長を伸ばすために必要な栄養素と言ったら、皆さま何を思い浮かべますか?カルシウム?タンパク質?、そうですね、マグネシウムなども有名ですよね。
ですが、更にもう1つ重要な栄養素があります。
それが「亜鉛」です。亜鉛というカルシウムなどに比べると少しマイナーな存在のように思われがちです。私も不足すると、味覚障害を引き起こすと聞いたことがあるくらいでした。ですが亜鉛というのは成長期の子供には欠かせない大事な栄養素だったのです。
亜鉛は体重70キロの人に平均すると約2.3グラム含まれている、鉄の次に多い、必須ミネラルなのですが、非常に体内で重要な働きをします。
細胞分裂の促進、酵素の組成、活性化、免疫機能の維持など多岐にわたります。
マウスの実験結果で、亜鉛を全く与えずに育てたマウスは、成長できずにあっという間になくなってしまったそうです。
亜鉛が不足する、ということは背が伸びないどころか、命をも奪いかねない非常に大切な要素なのです。
身長を伸ばすのは、骨を伸ばすこと!
亜鉛は先ほど述べたように、細胞分裂の促進、酵素の活性化などを促し、骨や皮膚、内臓などの新しい細胞が作られる際の司令塔のような役割を担っています。
成長ホルモンなどのもとになるたんぱく質や、遺伝子を作る酵素に含まれていて、骨の発達に直接関わっています。
成長ホルモンとは、脳下垂体から分泌されるホルモンの一種で、骨格形成や筋肉だけでなく、体のパーツを発達させるのを促進するホルモンのことです。
子どもに対してよく聞かれる言葉だと思いますが、大人にとっても重要なホルモンなのです。大人だって、髪が伸びますよね、爪も伸びますよね。
全て成長ホルモンが関わっているのです。
亜鉛が不足していると、この成長ホルモンの分泌を妨げ、たんぱく質の合成がうまく促進されず、骨が伸びなくなってしまいます。
実際に、亜鉛が不足すると成長の遅れが見られたり、身長の低い人より高い人の体内のほうが亜鉛の含有量が多いという研究データも出ているそうです。
背を伸ばすには、カルシウム!と昔から言われていますよね。カルシウムももちろん大事です。ですが、カルシウムは「骨の原料」となるミネラルなので
亜鉛やたんぱく質の成長ホルモンを分泌する力が足りなければ、あまりカルシウムばかり摂っても意味はありません。
亜鉛の摂取量目安はどのくらい?
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)概要」のガイドラインによれば、亜鉛の摂取量目安は以下の通りです。
何を食べれば亜鉛が摂取できるの?
亜鉛の含まれている食べ物で、一番最初に思いつくのは牡蠣ではないでしょうか。
牡蠣には100gあたり約13.2㎎の亜鉛が含まれており、保有量はトップです。成人男性だと、大体4つ、女性でも3つほど食べれば1日に必要な量を摂取することができます。
ほかに含まれているもの(100g当たり)、牛肉(4.9㎎)、牛ひき肉(4.3㎎)、卵黄(4.2㎎)、コーンビーフ(4.1㎎)、焼きたらこ(3.8㎎)パルメザンチーズ(7.3㎎)、プロセスチーズ(3.2㎎)、焼きのり(3.7㎎)など、です。
卵、牛ひき肉、チーズなどは気軽に取り入れられる食材ですよね。
どうしても亜鉛不足が気になる方はサプリに頼る、という手もあります。
ただ、亜鉛の取りすぎは急性中毒を引き起こす恐れがあり、継続的に過剰摂取すると銅の吸収を阻害し、貧血を起こす可能性がありますので要注意です。
ダイエットにしても、健康にしてもこれがいい!となると、その食品ばかり摂ってしまうことってありがちですよね。リンゴダイエットや、キャベツダイエット、健康にいいと聞けば納豆ばかり…勿論その食品の持つ素晴らしいパワーを摂取したい気持ちはわかるのですが、全体のバランスを無視したような食事はよくありません。
身長を伸ばすためには、亜鉛だけに頼らずバランスの良い食事、たっぷりの睡眠、適度な運動が一番効果的だと思います。